家庭用焼却炉

家庭用焼却炉とは

家庭用焼却炉のイメージ

家庭用焼却炉と言っても家庭から出たゴミ(ビニール・プラスチックを含む)はもちろん焼却することはできません。 では、どんな場合なら使用することが可能なのでしょうか。

環境問題

現在では法律で全ての焼却が規制されているわけではなく、例外的に認められて いる焼却もありますし、家庭用焼却炉自身も進化していて、さまざまな規制を クリアしているものが出てきています。 例えば法規制の中に「摂氏800℃以上の状態で焼却できるもの」 というものがあります。 800℃というのはダイオキシンを分解させることができる温度で、 環境に配慮することが求められる現代社会では非常に重要な規制です。 この温度に達しない焼却炉でむやみにゴミを燃やしていたら、ダイオキシン などの有害物質が発生してしまうからです。 これらの配慮のため家庭用焼却炉も昔より進化しており、最近では800℃以上 の高温が出せるものが出てきています。 またダイオキシンを出さないように、プラスチックなどは燃やさず紙や枝樹など 普通のゴミを燃やしたとしても、火災の危険や煙による公害はどうしてもついて 回っていました。 しかし最近の家庭用焼却炉なら、煙も少なく正しく使えば火災の危険もない 安全な仕様となっています。 家庭用といえど350リットルの大容量で一気に焼却できるものもありますので、 個人情報の記載されている大量の書類など、一気に処分することも可能でしょう。 ちなみに一般的なゴミ袋の容量は60リットルです。

焼却炉の用途や種類

焼却炉の許可では届け出が必要な内容に、処分業者であるか否かを問わず 規格外の焼却炉なら届け出が必要な場合もあります。 環境を守るためにダイオキシン類の発生を抑えるため、800℃以上での 燃焼ができる焼却炉であるか、排ガスの測定に関する条件などがあります。 また焼却物に関しても、木くずなのかプラスチック類なのか、ポリ塩化ビニル か汚泥なのかでも条件が違います。 販売されている焼却炉には、例えば廃プラ用や木くず専用のように目的別の 焼却炉として販売されている物が多く、焼却炉の温水を利用して床下暖房や シャワー用に温水を確保できる焼却炉もあります。 また火災の危険を耐火レンガなどで構成された焼却炉もあり、温度計や 耐火レンガの修復もできてバーナー取り付けも可能なタイプもあります。 焼却炉の用途が違えば燃焼形式も違い、ストーカー炉や流動床炉や固定床炉などの 形式があります。 燃焼形式の中で日本で多いのがストーカー炉で、焼却がゆっくりした安定型 なので完全燃焼に向いており一般ゴミや木くずなどに利用出来ます。 流動床炉というタイプも多く、これは熱された砂の中で燃焼物を燃やす方式です。 家庭用焼却炉は耐久年数5年ほどですので、もしも使い勝手がいまいち なら次は別のタイプを選んでみよう、ということも出来ます。

家庭用焼却炉の種類

昔はそれほど田舎でなくても、家の前や庭でゴミを燃やす風景が見られました。 近年ではあまり見かけることがなくなった家庭用焼却炉ですが、 燃やした時の煙や臭いを気にされる方が多くなったのも原因のひとつでしょう。 ですが最近の家庭用焼却炉は高温燃焼のため臭い物も分解し、 煙も少ない便利なタイプが多く市販されています。 容量も60リットル~350リットルとさまざまなタイプがあります。 60リットルの焼却炉だと直径が40cmほどで高さ80cm、重量は8kgほどです。 家庭で出るちょっとした生ごみや書類を燃やすのであれば60リットルの 家庭用焼却炉で十分でしょう。 200リットルだと直径60cmで高さが100cm、重量は20kgほどです。 広い庭があり剪定の枝樹も大量に出るような家庭でお使いになるのであれば、 これくらいの家庭用焼却炉が最適サイズかもしれません。 350リットルだと直径が80cmで高さが100cm、重要も40kgほど、 200リットルよりも安定感が出るように横に大きくなった感じです。 ここまでの大容量は一般的な家庭で使うよりも、田畑を持っていて農業などを 営んでいるか、業務用で使うサイズでしょう。 大きいために焼却温度も900℃まで上がる高性能の焼却炉で、 寒さの厳しい場所でも焼却可能となります。 このタイプは山岳清掃でも使われることが多く、移動して使うことが可能な 持ち運びに便利な家庭用焼却炉は、家庭以外でも重宝されているのです。